すみれブログ
特許調査で先行技術が見つかったときの心境
2015年07月10日

特許出願や商標出願のご依頼を頂いた場合、そのまま出願手続きをすることは希で、通常はまず似たような発明や商標がでていないかどうかの調査を行うのが一般的です。

 

でも正直に言うと、この先行調査作業、あまり好きではありません。

 

というのも調査した結果、似たような発明や商標が見つかった場合には、同業者であれば分かると思いますが、残念な気持ちとちょっとホッとするような複雑な心境になります。

 

一方、見つからなかった場合はうれしい反面、一抹の不安は残ります。特許調査といっても時間と費用の都合上通常は特許文献とインターネットの検索エンジンでわかる範囲ですので当然に調査範囲が限られますし、見落としもあります。また、出願から1年半は秘密状態ですので既に他人から出願されている可能性もあります。

 

もちろん、相談時にご依頼人様には「調査は完璧ではありません。強いていうなら信頼度は50%程度とお考えください。」とはお伝えするものの、審査の結果、殆ど同じ内容の引用例が示されて拒絶された場合には、やはりちょっと…。

 

想像の域を出ませんが、例えば裁判で負けてしまった弁護士や患者を助けられなかった医者の心境のようなものでしょうか。

 

かといって先行調査もせずにいわれるままに出すわけにはいきませんので、これはこの生業の宿命として受け入れるしかありませんね。

 

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