最近は行く機会がめっきり減りましたが、銭湯や温泉に行くといくつかある浴槽の一つに必ず湯温が高い(熱い)浴槽があり、年配の方が好んで入浴していますね。
経営者によれば40℃前後の湯温では年配の人からお湯がぬるいとの苦情がくるんだそうです。そういえば田舎の爺さんも熱っつい一番風呂が大好きでした。
昔の人は熱いお湯が好きなんだなぁと、今までその理由については深く考えたことがなかったのですが、先日あるテレビ番組でその理由が解説されており、なるほどなぁと感心した話です。
おじいちゃん(お年寄り)が熱いお風呂を好きなワケ。
それは加齢による感覚機能の衰えだそうです。人には視覚、聴覚、味覚、触覚…などの様々な感覚(センサー)があり、その一つの皮膚温度を感知するセンサーが加齢によって衰え、入浴には適温であるはずの40℃前後の湯温では温まったという感覚がしなくなるのだそうです。
なるほど、お年寄りに熱中症が多いというのは、この温度に関する感覚が衰えてしまって危機的状況になっても自覚できないということですね。
そういえば私も最近この身体的感覚の衰えを自覚します。特に目ですね。いわゆる老眼です。元々きつい近視の上、老眼ですから、不便きわまりない。それから味覚も鈍感になっているかも。料理にはやたら醤油をかけ過ぎたり、カレーや鍋が辛すぎるとか、子供達からさんざん顰蹙をかっています。
まぁ加齢による身体的な感覚機能の衰えはある意味自然現象ですので抗うことはできませんが、精神的な感覚機能である感性だけはなんとか維持したいものです。
幸いなことに、この感性というのは年齢というよりも個人的な差が大きいですから、年齢に関係なくその人の自覚次第でなんとか維持できそうです。
さすがにこの感性まで衰えたら引退の時期でしょうね。ただ、ゆで蛙現象というかこの感性まで衰えたらそもそもそれを自覚できるかという問題もありますが…。