すみれブログ
「拒絶」という冷たい表現は変えた方がいい
2014年09月8日

もう何年もこの業界で飯を食っている我々にしてみれば、特許にしろ商標にしろ、審査の結果、取り敢えず1回は拒絶理由通知を受けるのが当たり前になっているのですが、特許出願や商標登録出願が初めてのお客様にその旨報告するとそれなりにショックを受けるようです。

 

ですので、補正をすればほぼ確実に拒絶理由が解消される場合には、なるべく「拒絶」理由という名称は使わず、どこどこの不備を解消すれば特許又は登録になりますよ、というような、なるべくソフトな表現で報告するように心がけています。

 

これはやっぱり「拒絶」理由通知という名称が悪い。

 

「拒絶」というと、例えば生体間移植の「拒絶反応」や異性に交際を申し込んで断られた状態だったり、どうも救いようのないネガティブな印象を拭えません。

 

もし特許庁が特許法に規定するように発明の保護・育成を目的とする官庁であれば、このような冷たい名称でなく、もっと別の名称,、例えば「審査結果通知(第1回)」とか、「登録要件不備通知」といったような名称に変えた方がいいと思います。

 

もっとも法律で堂々と「拒絶」という文言が使われているため、特許庁でもそう簡単に変えられない事情もあると思いますが…。

 

結局のところ、審査官は特許にするのが仕事なのか、拒絶にするのが仕事なのかというところに行き着くのですが、なかには意見書の内容が気にくわないのかどうか知りませんが、意固地になって拒絶するような(印象を受ける)審査官もいるようです。

 

なんでもかんでも特許というのは拙いのですが、権利の上にあぐらをかいて何もしない人たちよりも知的財産に興味を持って自らの知的財産を保護しようと積極的に投資して行動する人たちを護ることこそが結局、日本の産業の発達に寄与するのではないかと考える今日この頃です。

 

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