
2017年、私は「AIの進歩で弁理士は廃業か!?」というブログを書いた。
当時、AIがもたらす未知の可能性に対して、専門家として少なからぬ不安と焦燥を抱いていたことを覚えている。
それから約9年が経過した。結論から言えば、私は今も弁理士として事務所を経営している。しかし、AIを取り巻く状況は、当時とは次元が異なるほど激変した。2023年に登場したChatGPTをはじめとする超高性能な生成AIは、かつて人間が1週間かけて悩み抜いていた知的作業を、ものの数分で仕上げてしまう。
正直に言ってこれは脅威だ。 弁理士の主たる業務である特許出願書類の作成は、発明者から提出された漠然としたアイデアを、高度な専門知識で紐解き、最先端技術の本質を把握して、法的な権利として定着させる作業だ。それは、大量生産される工業製品とは異なる、完全オーダーメイドの職人芸である。
しかし、生成AIを使えば、この職人芸に優るとも劣らない外見上の作品をいとも簡単に作り出せてしまう。
では、私は廃業に向かっているのか? いや、よくよく調べてみると、そんなに焦る必要はないということが見えてきた。
包丁は日常生活に欠かせない便利な道具だが、扱いを誤って手を切ったとしても、包丁に何ら責任はない。それを扱った人間の責任だ。AIも全く同じである。 AIは入力された言語を、膨大なパラメーター間の重み付けに従って機械的に処理しているだけで、その内容が正しいか、審査に耐えうるものかといった判断はできない。出力されたものが真実か、それともハルシネーションと呼ばれる出鱈目か、その責任を負えるのは、最終的には人間だけなのだ。
最近、私の事務所にも、AIで作ったクレームや図面を持参する相談者が現れるようになった。見た目は一見それらしく見えるが、中身を紐解けば物理的に動かないことは明らかで、審査にパスするはずもない。知識のない素人がどんなに高性能な道具を手にしても、それを使いこなす技術や知識がなければ、それは単なる無用の長物に過ぎないのだ。
だが、この無用の長物も、その道のプロが扱うとまるで魔法の杖のような驚くべきものに化ける。プロが扱うAIは、論理の穴を瞬時に埋め、かつて人間一人の脳だけでは描ききれなかった複雑な権利構造をも鮮やかに提示する。それはもはや魔法に近い。しかし、その魔法の杖を振るえるのは、あくまで法律や技術の本質を血肉化し、審査の厳しさと権利の重みを理解しているプロフェッショナルだけである。
10年前、私は「AIの進歩で弁理士は廃業する」と予測した。しかし、今ここで訂正したい。 これからはAIの進歩によって弁理士が廃業するのではない。AIを否定し、AIを使いこなせない弁理士だけが廃業するのだ。これは弁理士に限ったことではない。あらゆる知的労働に携わる者に該当する。ルーチンワークをこなすだけの指示待ち人間は間違いなくAIに駆逐される。
いま、海外では不気味な兆候が起きている。日本では人手不足が叫ばれているが、AI先進国であるアメリカでは、生成AIの普及によってすでに多くの知的労働者がレイオフされ、専門教育を受けた新卒の就職先すら消失しつつあるという。企業がお金をかけて若手を育てるよりもAIで済ませるという合理的な選択をした結果だ。この育成の機会の消失という構造的な課題は、いずれ日本にも押し寄せるだろう。
明日には自分が淘汰されるかもしれないというスリリングな緊張感の中で、私は今日も発明者の相談に乗っている。
AIが出力した傑作を手に、「面白い視点ですね、ですが、この論理の穴では特許は通りませんよ」とアドバイスする。この一手間をかけることこそが、AI時代における弁理士の本当の仕事だ。
AIで楽をしようとするのではなく、AIという魔法の杖を指揮し、より完成度の高い知財を生み出す。 私が廃業するのは、残念ながらもう少し先になりそうだ…。
ちなみに誤解されないように付記しておくが、AIを使った特許出願書類の作成といっても、いわゆるChatGPTやgeminiのようなクラウド型AIを使った作業ではない。出願前の情報をネット上に流すのは弁理士法第30条で禁止している重大な守秘義務違反だからこの点は厳重に注意されたい。
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-この文章は生成AIのgeminiを使って作成しました。原案を元になんどかプロンプトを修正しましたが、校正も含めて30分程度でできました。いままでだったらおそらく半日はかかっていたでしょう、すごいですね-
