すみれブログ
事務所移転のお知らせ
2022年06月24日

拝啓
入梅の折、貴社におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は、一方ならぬご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度サービスをより一層強化充実するために、柏市の事務所を下記のとおり移転する運びになりました。
これを機にさらに皆様方のご愛顧を得られますよう専心努力いたす所存です。
今後とも倍旧のお引き立ての程、心よりお願い申し上げます。

【新住所】
 〒340-0048
 埼玉県草加市原町2-6-31
 ワークオフィスサンデン101号
【新電話番号】 048-951-3695
【新FAX番号】 048-951-3696
※Eメールアドレス(info@sumire-pat.jp)
 は従来と変更ありません。
【業務開始日】令和4年6月27日(月)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京外環自動車道、草加インターから約3分、埼玉県立草加西高校近く、敷地内に駐車場がございます。

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商標話し(4)「ゆっくり茶番劇」についての解説
2022年05月27日

最近ネットを騒がせている商標「ゆっくり茶番劇」に関する騒動についてクライアントから問い合わせがありましたのでついでにここでゆっくりと解説したいと思います。

 

YOUTUBEなどの動作配信サイトで従来から多くのユーザーに使われてきた「ゆっくり茶番劇」という動画のタイトル名が最近になってある特定の個人(Y氏)によって商標登録されました。

 

そして、その商標権を取得したY氏が「今後このタイトルを使用する場合は、使用料として年間10万円払え」とSNSで告知したことからネット界隈が騒然となり、過激な一部のユーザーらしきものがその手続きをした代理人事務所やその沿線の爆破予告をするなど犯罪まがいの事件が発生しこれが大きく報道されました。

 

具体的な内容は他の動画や記事でたくさん紹介されていますのでそちらをご覧いただくとして、なぜ、従来から多くのユーザーに使われてきた「ゆっくり茶番劇」という動画のタイトル名が登録商標としてある特定の個人に認められてしまったのでしょうか。

 

商標制度は国によって違うのですが日本の場合は先願主義(登録主義)といって実際の商標の使用の有無に関係なく、先に商標を申請(出願)した方が登録を受けられるというルールを採用しています。先にその商標を使用していた人がいてもその人が特許庁に申請しない限りその商標が登録商標として保護されることはないのです。

 

つまり日本の商標制度は実際に商標を使用している者よりも先にその商標を出願した者のほうが独占的にその商標を使用する権利を取得できるというルールになっているのです。

 

これに対して使用主義といって実際にその商標を使用していなければ商標登録が受けられないという制度を採用している国もあります。アメリカが代表例です。商標制度は、その商標を使用することによってその商標に化体した業務上の信用を保護することを目的としていますので、本来であれば使用主義の方が先願主義よりも商標制度の趣旨に合致しています。

 

ですが、実際に使用している商標について登録を受けるようと出願したところすでに他人が同一又は類似の商標を使用している場合には、その商標について登録を受けることができません。例えば全国に店舗を持つ業者がその店舗名について商標登録を受けようとしたところ、北海道の一地方だけでひっそりと個人経営しているお店の名前と同じであった場合には登録を受けられないという事態が考えられます。

 

この結果、全国的に知られて信用が化体している商標について登録が受けられなかったり、商品やサービスの提供者が違う同一又は類似の商標が乱立してしまい、業者だけでなく需要者も混乱してしまいます(出所の混同)。また、使用の開始時期の前後で決めるにしてもその時期を確定するのは容易でなく、争いや審査が長期化してしまいます。

 

ですので日本では実際の商標の使用の有無に拘わらない先願主義を採用し、先に出願した者に優先的に商標権を付与する制度を採用しているのです。

 

そして、この先願主義の下では出願した商標はその出願順に特許庁で審査を受けますが、審査官は出願された商標が法律で決められている多くの不登録事由に該当するどうかを詳しくチェックし、1つでも該当すると拒絶しなければなりませんが、いずれの不登録事由にも該当しないときは登録を認めなければなりません。どの不登録事由にも該当しないけれど、なんとなくダメだなぁという恣意的な審査をしてはならないのです。

 

この「ゆっくり茶番劇」という商標も審査の結果いずれの不登録事由にも該当しないとの審査官の判断の結果登録が認められたのです。でも、この「ゆっくり茶番劇」のように従来から多くのユーザーに使われてきた動画のタイトル名を登録商標としてあとから申請してきた一個人に独占させてしまっていいのでしょうか。

 

実はこの審査での不登録事由の1つに「他人の周知の商標と同一・類似の商標は登録を受けられない」というものがあります(商標法第4条第1項第10号)。先願主義であってもすでにその商標が需要者の間に広く認識されているものと同一・類似の場合にそれを認めると却って混乱を招くから登録すべきではないからです。この規定は使用主義的な修正規定といわれています。

 

さて、ここで問題となるのはそれではこの規定を適用するためにはその商標がどの程度まで周知でなければならないかという点です。条文上は「他人の業務に係る商品もしくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標またはこれに類似する商標…」とだけしか記載されていませんので具体的にはどの程度なのかわかりません。

 

そこで、この規定の裁判例を調べてみると「周知であるといえるためには、特別の事情が認められない限り、全国的にかなり知られているか、全国的でなくとも、数県にまたがる程度の相当に広い範囲で多数の取引者・需要者に知られていることが必要である(第 36 類土地の売買等 平成 14 年 6 月 11 日 東京高昭平成 13 年(行ケ)第 430 号)」というものがあります。

 

つまり、この例でいえばこの規定を受けるためには周知商標が「全国的にかなり知られているか、全国的でなくとも、数県にまたがる程度の相当に広い範囲で多数の取引者・需要者に知られていることが必要」となっています。ただし、この例では「特別の事情が認められない限り」という条件が付いていますので、特別の事情が認められる場合は、また違う基準で判断できるとも解釈できます。特にこの商標はインターネットの世界で主に使用されますのでその判断基準もこの事例とはすこし変わってくるのではないかと思います。

 

担当した審査官はこの「ゆっくり茶番劇」という商標は、未だ使用されていないか(使用の事実を知らなかったか)仮に使用されていてもこの裁判例で規定するほど周知でないと判断したことから登録を認めたのでしょう。

 

そうすると、今後の争点はこの審査官の判断が正しいか否かになるのですが、もし審査官の判断が誤りと考えるならば、これを理由とする異議申立や無効審判を請求して商標権を消滅又は無効とすることができます。ただし、Y氏がSNSで告知した日には異議申立期間は過ぎていますのであとは無効審判しか残っていません。しかも異議申立はだれでもできますが無効審判は利害関係人しかできませんのでその範囲は限られてきます。

 

また、他の不登録事由として他人の周知商標と同一類似の商標を不正の目的で取得した場合も無効とすることができます(商標法第4条第1項第19号)。周知の条件については上記の無効理由と同じですが、指定商品・役務の同一類似にかかわらず不正の目的があればこの規定によって無効とすることが可能です。商標権者は金銭目的でこの商標を取得したことが推認されますのでこの規定によって無効にできるかもしれませんね。

 

ちなみにその後の情報によるとこの「ゆっくり茶番劇」の商標権者であるY氏は結局、周囲の圧力に屈する形でその商標権を放棄したようです。とりあえずこれでこの騒動は収束しそうな気配ですが、ネット関連の商標については今後審査が厳しくなるのではないかとちょっと心配です。

 

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商標話し(3)チキンラーメン
2022年04月5日

最近、日清食品ホールディングスが販売する即席麺「チキンラーメン」のパッケージの配色が商標登録されたようです(商標登録第6534071号)。

 

ふ~ん、なにそれおいしいの?じゃなくて、それがどうしたの?っていう反応が聞こえてきそうですが、実はこういった種類の商標の登録が認められるのは結構珍しいケースなのです。

 

今回登録が認められた商標がこれです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この商標は文字やマークなどがなく、単に色の組み合わせのみからなる商標です。

 

こういった商標出願は通常「商標として識別力がない」という理由で拒絶される場合が殆どです。この出願もその経過情報をみると同様な理由で最初の拒絶理由通知がなされています(商標法第3条第1項)。

 

「商標として識別力がない」というのは、要するにその指定商品・役務(サービス)との関係で一私人に独占使用させるべきものでない、つまり独占適応性がないと考えるとわかりやすいと思います。

 

例えば指定商品「りんご」について「Apple」という商標を認めるとその商標権者以外の同業者は「りんご」について「Apple」という文字を一切使用することができなくなり、困ってしまいます。

 

ちなみに「りんご」以外の商品や役務、例えばコンピュータや自動車、引っ越しサービス、銀行業について「Apple」の商標を使用していても、既に他人がその商標をしていなければ使ってもだれも困らないのでそのまま登録が認められるでしょう。

 

また、商品の産地名や販売地、商品の品質や原材料などを表示する商標も同様に独占適応性がないとして登録が認められません。例えば「東京」や「北海道」、「フランス」などの地名、「スーパー」や「高級」などの品質を示唆する表示、「プラチナ」や「FRP」などの原材料を示唆する表示などはダメです。

 

今回認められた商標は色の組み合わせのみからなるものでその指定商品は「即席めん」です。通常即席めんのパッケージにはカラフルな色彩が施されていますが、人間が明確に判別できる色の種類は有限ですから、仮に特定の色の組み合わせであっても、それを認めてしまうと、他人が使用できる色の範囲が狭まってしまい、困る人が続出するからです。

 

その一方、こういった「商標として識別力がない」と判断された商標であっても現実の使用により需要者に広く知れ渡って周知になったことによって識別力が発揮されるケースがあり、そのような場合には例外的に登録が認められることがあります(商標法第3条第2項)。例えば「あずきバー」(あずきを加味してなる菓子)、「角瓶」(ウィスキー)、「ジョージア」(コーヒー、ココア)、「Kawasaki」(エンジンオイル)などです。

 

この出願の経過情報をみると、出願人は「識別力がない」という審査官の見解は認めつつそれでもこの商標は例外規定に該当するとして登録すべきとの意見書を提出する対応を採っています。

 

しかし、この例外規定は非常に厳格に運用されていて使用によって周知になったことを示す証拠資料を大量に提出して審査官を納得させなければならず、それはそれは大変な作業です。しかも、実際に使用している態様は以下の写真のように「チキンラーメン」などの文字や調理例の写真、イラストなどとの組み合わせです。使用によって実際に識別力を獲得したのはこのよう商標ですので、出願商標のようにその背景のみの色の組み合わせでだけでこの例外規定が受けられるかどうかは微妙でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日清食品ウェブサイトより引用

 

この商標は2018年7月12日に出願されましたので、登録になるまでに約4年近くの時間を要しています。その間に延長申請を含めた様々な手続きがなされ、しかも幾度か代理人の変更もあったようで難産の末にようやく登録が認められたようです

 

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新規参入メーカーの成功例(2)-水平開きノート-
2022年03月29日

2.水平開きノート(有限会社中村印刷所)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有限会社中村印刷所ホームページより引用

 

誰でも使ったことがある一般的なノートは、開いたときにノートの真ん中の閉じてある部分が盛り上がってしまいます。この現象については、「まぁ、こんなもんだろう」と考えるか、そもそも当たり前すぎてその現象自体に気がつかない人が殆どだろうと思います。

 

ところが、この一見当たり前と考える現象について「なんか使いづらいな」と感じ、それを何とかしたいと考える人がいました。

 

東京都北区で小さな印刷所(有限会社中村印刷所)を経営していた中村輝雄さんは、当たり前すぎて殆どの人が気がつかないこの課題に着目し、約2年の歳月をかけてこれを技術的に解決するための発明を完成しました。これが「水平開きノート」という商品で、その名のとおり開いたときにノートの真ん中の閉じてある部分が盛り上がらす平ら(水平)になるという画期的なノートです。

 

この作用により、①ノド(綴じ側)まで快適に書ける、②全体が見やすく広く使える、③コピーやスキャンしても中央に影ができない、④必要なページだけを取り外すことができるといった従来製品にはない優れた技術的効果を発揮できたことから、中村さんはこの発明について2014年11月27日に特許出願し、半年後の2015年5月15日に特許を取得しています(特許第5743362号)。

 

そして、2016年の年始に中村印刷所のパート従業員のお孫さんがツイッターで「うちのおじいちゃん、ノートの特許とってた…。費用がないから宣伝できないみたい」とつぶやいたことに端を発し、その情報が拡散してネットで大ブレイク。これに新聞や雑誌、TV等のマスコミが注目してあちこちで取り上げられます。その結果、注文が殺到して小さな街の印刷所だけでは対応しきれなくなるほどの大きな反響がありました。

有限会社中村印刷所ホームページより引用

 

その後、中村さんは中国や欧州27カ国でも特許を取得しました。ちなみに欧州でしかもこれだけの国で特許を取得・維持するためには数百万以上の費用がかかりますが、なんとクラウドファンディングで乗り切ったようです。しかもこれも御年70歳を過ぎてからの行動とのことで驚きです。この特許はノートだけでなく、手帳や書籍などにも応用できますのでその可能性は無限大です。しかも、出願が2014年ですので存続期間もまだたっぷりと残っています(2034年)。

 

これらの中村さんの一連の行動を観察するとビジネスで成功するためのヒントが隠されているように思います。

①殆どの人が気がつかない課題に気がついた。
②その課題を解決するために試行錯誤した。
③試行錯誤の結果、その課題を解決するための技術的アイデア(発明)を思いついた。
④その発明を試作して製品化した。
⑤同時にその発明を保護するために特許出願した。
⑥ツイッターでその製品を宣伝した。

 

これらの一連の流れのうち、①については意外と多くの人が気がつくと思うのですが、それから実際に②や③の行動を起こす人は少なく、ここに第1の壁があるように思います。さらに③に至った場合でもそれを製品化したり、特許出願するとなると大きな費用や手間がかかりますので、これを超えて④や⑤にまで至る人は希です。ここに第2の壁があるように思います。そして、仮にこの第2の壁を突破して④や⑤に至ったとしても製品が売れる保障はありませんから、実際は①の段階で断念する人が殆どだろうと思います。

 

この結果、①に気がついた人は後から行動した人に同じアイデアを実現されて後悔してしまう場合も少なくありません。成功している人は例外なく行動を起こしています。行動しなければ失敗もしませんが成功もありません。当たり前ですがビジネスで成功するためには失敗をおそれず行動を起こすことです。ただ、多くの人は行動を起こしても成功しないことが殆どなのも知っていますので、これが二の足を踏む大きな原因となっています。

 

ちなみにこの特許(特許第5743362号)は、製造方法に関する製法特許(無線綴じ冊子の製本方法)です。製法特許の効力は、その製造方法を実施する行為だけでなくその製法で製造された製品の販売行為等にも及びますが、製品の構造が同じであってもその製法が異なるとその製品には効力が及びませんので特許出願するときには注意が必要です。

 

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臨時休業のお知らせ(3月30日)
2022年03月29日

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

誠に勝手ではございますが、3月30日(水)は、従業員研修のため、臨時休業させて頂きます。

 

31日(木)からは通常通り営業致します。

 

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