すみれブログ
弁理士の義務
2021年04月1日

久しぶりにブログでも更新するかぁ、と思ってダッシュボードを開いてみたらなんと前回の投稿は昨年の12月。

 

4月になってようやく今年初の投稿です。特に忙しかったわけでもないのですが、ブログ記事のような義務でも強制されるものでないものっていうのは一旦サボるとずるすると先延ばしになってしまうものですね。

 

さて、弁理士というのは、知的財産権に関する相談や特許庁への手続き代行等を生業とする商売ですが、多くの専門職がそうであるように誰でも自由にやれるものでなく、国家資格というライセンスが必要です。

 

年1回行われる特許庁が主催する国家試験に合格し、日本弁理士会に登録することで弁理士を標榜して上記の商売ができるわけです。

 

簡単に書きましたがこの国家試験自体、数ある国家資格の中でも超難関にランク分けされるほどの難しさでして、その合格率はわずか数パーセントです。しかも、受験生の多くは日本人なら誰でも知っている名門大学を卒業した人たちが殆どでそのレベルの高さに脅かされます。

 

そのため合格までに必要な勉強時間は平均約3000時間、受験生の多くは社会人であることから合格までに平均3~5年ほどの期間がかかるようです。私の場合はなんとか二桁受験は避けられたなぁという有様です。まぁなかには1回で合格するような猛者もいるようですが。

 

こんな超難関の国家試験に合格してもそれだけでは商売はできず、次に日本弁理士会に弁理士として登録する必要があります。しかもこの登録をするためには、相応の登録費用に加えて数十時間の登録前の実務修習を受けることが義務になっているのです。

 

そうやってようやく弁理士として開業できるわけですが、資格を持っているだけでは1円にもなりませんので、開業したら仕事を依頼してくれるお客様を探すための営業活動が必要です。

 

ですが多くの開業弁理士はここで壁にぶち当たります。いくら営業しても思うように仕事がこないのです。このままでは家賃も払えないし、家族も養えなくなっていまいます。子どももまだ小さいし、これから教育費にどんどんお金がかかります。これは時間をかけて蓄積される信用や実績を前提とした士業にとってはあたりまえのことですが、それでも貯蓄だけがどんどん目減りしていく現状は恐怖です。

 

試験に合格するためにはそれをサポートしてくれる受験対策機関が多く存在していますのでそこにお金を払って利用すればだれでもなんとかゴールにたどり着けますが、開業のためのノウハウを懇切丁寧に教えてくれる人はだれもいません。

 

世間には開業ゼミや開業コンサルタントというのがあるようですが、その殆どはいわゆるひよこ喰いです。ありきたりの営業手法やノウハウ、精神論をさも貴重な情報のようにして高額の費用をとって開業したてのひよこ達を食い物にしている輩です。

 

そんなのに貴重な時間とお金を使うのであれば無料のYOUTUBEを見ていた方が遙かに役に立ちます。そして自分で毎日ブログを更新したり動画を作ってYOUTUBEに投稿した方が効果が高いといえるでしょう。

 

冷静に考えればわかることですが貧すれば鈍すというか現状の恐怖に苛まれて冷静な判断ができなくなってしまうのでしょうね。よくわかります(笑)。

 

そうやってようやく弁理士として軌道に乗ったとしても弁理士業を続けるためには毎月弁理士会に少なくない会費を納入する必要があります。たしか6ヶ月滞納すると脱会処分、つまり弁理士を廃業せざるを得なくなるので大変です。

 

さらに加えて弁理士会が主催する数十時間の義務研修を受ける必要があります。弁理士としてやっていきたのであればほぼ毎年改正される最新の法令や判例、実務を勉強してブラッシュアップすべきとの趣旨です。所定の期間内にこれを受けないと弁理士会から怒られ、受講するように指示されます。さらにそれを無視するとたしか退会処分になるようです。

 

ただコロナのせいでその多くはeラーニングで済みますのでじつはそれほど大変ではないのですが、ため込んでしまうと大変です。私の場合はこの受講期限が昨日(3月末)でした。あと2日という時点で15時間ほど残っていたのですが、なんとか終わらせることができました。

 

なんやら愚痴っぽくなってしまいましたが、別にこの程度の苦労はどんな商売でも同じですし、かつて自分がそうであったように会社つとめの立場であればそれなりに人間関係のような煩わしい苦労がつきまとうわけで、まぁビジネスというのはそれなりに大変だねっていう話でした。

 

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