すみれブログ
実用新案の売り込み代行って使えるの?
2016年06月6日

実用新案登録出願の場合は特許のような実体的な審査がありませんので、出願するとそのまま登録されて権利化されます。そして、権利化されると特許庁から公報(実用新案登録公報)が発行されてその内容(書誌的事項も含めて)をだれでも無料で見ることができるようになります。

 

そうなるとそれを見た売り込み代行業者からの売り込み営業が直接権利者の元に届きます。特に権利者名が個人の場合はほぼ100%届きます。

 

当然、代理人である弊所とは全く関係のない業者ですが、権利者(依頼人)のなかには弊所と結託してさらなる費用を請求しているのではないかと疑念を抱いて連絡を頂く場合もあります。

 

もちろんそんなに露骨にきいてくるわけではないのですが、要するにこの業者を信用してもいいものかという相談です。自分のアイデアの売り込みを考えている相談者にしてみれば、本当に効果があればまさに渡りに舟でしょうが、それなりに結構な費用(3万円以上?)がかかるようですのでやはり一抹の不安は拭えないようです。

 

そういったことから弊所としても出願書類や公報を送る際には「業者から売り込み代行の営業があるかも知れませんが、弊所とは全く無関係です」旨を添えるようにしているのですが、それにもかかわらず相談を受けるわけでして、受けたほうとしてみれば、返答に困る相談の1つです。

 

とにかくまったく知らない業者ですので、デタラメだとか効果がないと決めつける根拠もありませんし、もしかしてそれがきっかけで売り込みが成立するかもしれませんからね。

 

結局のところ、回答としては失格でしょうが「ご自身の責任でご判断ください」とかしか言えないのが現状です。

 

ちなみに弁理士なんだから権利化業務だけでなく、権利の売り込みの代行業もやったらどうかというご提案も頂きますが、とりあえずいまのところは考えていないです。ハイ。

 

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