すみれブログ
ヨーロッパか、それとも死か
2015年09月7日

いま、ヨーロッパ各国では難民問題で大きく揺れているようです。特に最近になって急増しているのはシリア難民だそうで、長引く内戦やIS(イスラム国)による迫害から逃げるようにして大量のシリア人が難民としてヨーロッパを目指しているとのこと。

 

彼らは運び屋といわれるあやしい業者に大金を払ってライフジャケットも着けずに粗末なゴムボートや船で命がけでヨーロッパを目指すのですが、天候の悪化や海難に見舞われてその途中で命を落とす人も少なくありません。

 

といってもヨーロッパでは昔からアフリカやイスラム圏からの多くの不法入国者が後を絶たず、彼らが地元民の仕事を奪ったり犯罪を犯して治安の悪化を招くような例も少なくないことからどの国も厳しい対応をとってきているので、密入国自体かなり難しくなってきているようです。また、仮に入国できても不法入国者として逮捕されれば過酷な待遇が待っているわけで彼らにとって夢に見たヨーロッパは決してパラダイスではないようです。

 

 

でも、最近トルコの海岸に遺体が打ち上げられたシリア難民の男児の写真をきっかけに、ヨーロッパでは移民らに対する良心の呵責が高まっているようで今後EUでは難民に対する政策が大きく変わるかもしれませんね。

 

ちなみに難民というと経済的に貧しい人達が豊かさを目指して欧州や北米を目指すというイメージがありますが、最近急増しているシリア難民の場合は必ずしもそうでなく、その殆どが周知のとおり紛争や政治的な理由のようです。

 

むしろ、医者や弁護士のように母国では社会的にも経済的にも恵まれていた人達がクルマや家などの財産を全て売り払って金をかき集め、その金でヨーロッパを目指す例が多いとのこと。つまり、ヨーロッパに行くには運び屋に大金を払う必要があるわけで、貧しい人達はその運び屋に払う金さえありませんから難民にすらなれないようです。

 

こういった難民問題を含め国際的な諸々の問題の根本は貧困であって世界中の人達が豊かで平和な生活が送れるようになれば多くの問題は一気に解決するという考え方があります。

 

ただ、仮にいま地球上にいる世界中の人達がみないまの平均的なアメリカ人と同じような生活水準を維持するには地球3個分の資源が必要になるそうで、そうすると世界中の人達がみな同じような生活レベルにするためには欧米や日本のような豊かな国の人達の生活レベルを大幅に落とす必要があるわけですので、地球の人口が大幅に減らない限り、残念ながらその実現は不可能でしょう。
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