すみれブログ
テレビの凄さ
2015年06月11日

最近の若者はネットばかりでテレビを殆ど見ない といわれていますが、その影響力や情報発信力はネットや新聞等の他のメディアに比べてまだまだ圧倒的な強さです。

 

先日このテレビの凄さをまざまざと見せつけられる事例に遭遇しました。許可を頂いていないので固有名詞は避けますが、弊所のあるクライアントのことです。

 

このクライアント、元々は中小の機械装置メーカーで大手企業の工場の機械装置の製作・設置・保守等を主な事業とするいわゆる下請け業者です。

 

下請け業者というのは大手企業から一定量の発注がある間はいいのですが、どの業界でも調整弁的な立場であり、業績や景気による影響を真っ先に受けやすい、非常に不安定な立場です。

 

そういった現状を憂いだ社長は下請け事業だけでなく、何とか自社独自のオリジナル商品を開発し、これを直売する事業を立ち上げて新たな収益源にしようと考えました。

 

しかし、特にこれといった販路もブランド力もないため、そう簡単には売れるはずはなく、出費は嵩むばかりです。品質には絶対の自信がありましたが、アマゾンやヤフー等のネットショップに出展しても無名業者ゆえか販売は芳しくなく、下請け業務で稼いだお金の殆どを食い潰している状態でした。

 

それでもその社長は諦めることなく、各地で定期的に開催される見本市に出展しては社員総出で商品のデモ販売を行うという地道な活動を続けていたのです。

 

そんな活動が功を奏したのか、ある見本市でキーテレビ局の番組製作スタッフの目にとまり、取材を受けてこれが某有名芸人が司会をする情報番組で全国放送されたのです。

 

すると、その放送が終了した途端に注文が殺到し、会社の電話は鳴りっぱなし。もちろんネットショップにも注文が殺到して直ぐに品切れ状態になってしまい、一時閉鎖せざるを得なくなってしまいました。

 

大手企業であれば大量の在庫があるため、注文が集中してもある程度対応できるのでしょうが、なんせ従業員が20名程度の中小企業。それまで赤字を垂れ流していた事業ですので在庫といっても最小限しかありません。現在でも従業員総出でフル生産をしているのですが、それでも新規の受注を開始するのは早くても1ヶ月先になるそうです。

 

そういえば、ピップエレキバンでおなじみのピップ株式会社の藤本社長が、あまりに商品が売れなくて会社を閉鎖すると決断した際にどうせ会社を潰すのであれば、最後にテレビCMをガンガン流してから潰そうとしたところこれが受けて大ヒットして会社を建て直した、という逸話を思い出しましたが、それだけテレビの影響力や情報発信力は凄いということを改めて認識させられました。大手企業がテレビCMに年間数百億円も使うというのも納得できますね。

 

ちなみに、弁理士の集まりである日本弁理士会でも弁理士の知名度を上げようといろいろ地道な活動をしていますが、一度思い切って全国放送のゴールデンタイムでどんどんテレビCMを打ってみるのも面白いと思うのですが、如何でしょうか。

 

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