すみれブログ
社長の学歴は高い方がいいのか
2015年05月1日

クライアントの社長と話しをしたとき、ふと学歴の話題になりました。話しをきくとその社長は高卒だそうで高校を卒業してからいろいろな仕事を転々とした後、今の会社を立ち上げたそうです。

 

その風貌やふるまいからしてさぞや立派な大学を卒業しているのではと勝手に夢想していましたので意外でした。ちなみにその社長が経営する会社は地方都市にある従業員20名程度の中小企業ですが、すでに創業30年を超えた今でも無借金経営の超優良企業です。

 

で、ちょっと気になったので日本の社長の学歴を調べてみました。

 

なにぶん片手間に調べた少ないサンプルで申し訳ないのですが、調べた範囲では誰でも知っているような大企業の社長の場合は皆さん有名な大学を出られた立派な学歴を持つ人が多いのですが、中小企業や零細企業の社長の場合には意外と高卒あるいは中卒の方が多いことに気がつきます。

 

そうすると社長の学歴と企業の規模にはなにか相関があるのかと思いがちですが、そんな簡単な話ではないようで、例えば経営の神様と言われた松下幸之助氏、町工場から世界の自動車メーカーに育て上げた本田宗一郎氏、マイクロソフトのビルゲイツ氏といった誰でも知っているような世界的に有名な経営者はみなさん高卒です。

 

それじゃ学歴は全く関係ないのかというと、そうでもなくむしろ上の人たちは例外中の例外といってよいほど有名企業の社長の殆どは大学を出た高学歴の人が多いことが分かります。なにをもって高学歴と定義しているのかというのはともかく皆さん誰でも知っているような歴史ある大学を卒業されている。

 

だたし、良く分析してみると社長といっても自分で起業したいわゆる創業経営者と、二代目・三代目経営者あるいはヘッドハンティングや社員の中から抜擢されたいわゆるサラリーマン経営者とに分けて考える必要があります。

 

前者の場合は高卒または中卒の比率が高く、反対に後者の場合はその殆どが大卒しかも有名大卒の比率が圧倒的に高いことが分かります。圧倒的というか、むしろ高卒や中卒の例は皆無です。

 

なぜそうなのか?

 

これはおそらくその人の中学・高校時代の家庭環境や親の経済力によるものに起因すると思われます。日本の教育というのはとにかくお金がかかりますから子供を大学に通わせるには相当の経済力が必要です。例えば子供1人を大学に行かせるには4年間で学費だけでも400~500万円、しかも地方出身者で仕送りも入れるとなると1千万円ちかいお金が必要となってきます。

 

さらに子供が2人、3人いて全員を大学に入れるとなると、その一部を奨学金やアルバイトで賄ったとしても親にとっては相当な経済的負担です。

 

そうなるとそこまでの経済的な負担に耐えられない家庭の子供は、進学を諦めて高卒や中卒で社会に出て行くことになります。でもそういった人たちのなかでも優秀な人たちはずっと現状に甘んじているわけではありませんので、そのうち自分で事業を興し、人の2倍や3倍も頑張るわけですから成功する確率も高い。

 

一方、そういった創業者社長の後を継く二代目、三代目社長はすでに経済的に恵まれていますので潤沢な教育費をかけてもらえることによって高学歴者が多くなるわけです。また、サラリーマン社長の場合も高学歴であればあるほど周りから高い評価を受けますので社長に抜擢されやすいということになります。

 

従って、もちろん例外はありますが、さっくばらんにいってしまうと自分で起業するのであれば学歴は関係なく、その一方、社内で出世したりヘッドハンティングによって社長になる場合には高学歴が必要ということが云えそうです。

 

ちなみに自分で起業して成功するためには学歴は全く関係ないのかというと、そうとも言い切れず、何かと有利だから高い方がいいという意見と、学歴が高すぎるとプライドが邪魔をして商売に成功しないから無駄という意見の半々のようですが、みなさんはどう思いますか。

 

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