すみれブログ
値切ってはいけないもの
2015年02月19日

家電量販店等に行くと何度も値引きされた価格の値札が重なっていたりしていますので、ダメ元で値引きを交渉をしてみると値札に書かれた価格よりもさらに値引きしてくれることがあります。もちろん、お店の方もそれを織り込み済みで価格設定しているわけで決して損することはないのですが、なんとなく得した気分になります。値切ってみるというのも買い物の楽しみの1つですね。

 

でも世の中には値切ってはいけないものがあります。

 

それは専門的なサービスやオーダーメイドの商品のように特定のサービスやモノのケースです。例えばコンサルタント料や我々のような士業が提供する専門サービスあるいは注文住宅や専門の設備の設計・施工等です。

 

これらの専門的なサービスというのは定価という概念はないのですが、サービスの品質や材料、労力などを考慮すれば当然相場というものがあります。

 

どこの業者もこの相場に基づいて自己のサービス価格を設定しているのですが、なかには相場を無視するような大幅な値引きを要求してくるお客様がいます。お金を払う側にしてみれば一円でも安いに越したことはないのでその行為は理解できるのですが、これをやるとあまり良い結果が得られません。

 

こういった専門的なサービスを提供する人たちは、いわゆる職人肌というか自分の技量に誇りを持っている人が多いので大幅な値引き要求をされると自分の能力を不当に買い叩かれたと感じて戦意喪失してしまうからです。

 

もちろん経営や生活がありますのでなかには渋々引き受ける場合もありますが、そうやって受けた仕事は後回しにされたり手抜きされるおそれがあります。実際に手抜きされるかどうかは分かりませんが、人間ですので当然そういった心理が働くのは不思議ではありません。

 

プロに巧妙に手を抜かれたら素人では分かりません。気がつかないまま不利益を被っていたり、気がついたときにはその業者がとのつながりが切れていたということになり、結局そのお客様自身が損してしまうことになるのです。

 

しかもこういった専門的なサービスはその場限りでなくずっと継続するケースが多いのです。このような関係の場合はなによりも信頼関係が重要ですのでそれを損なうような値引き要求はそのときは得しても長期的に見ればお客様にとって不利益になります。

 

ちなみに私共のような特許事務所に限っていえば実際にこういった値引き要求をするのは個人のお客様が殆どです。事業を興して会社を経営されているお客様の場合はこういったことは熟知していますので大幅な値引き要求をしてくることは殆どありません。

 

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