すみれブログ
多くの人が勘違いしていること(特許編)
2014年09月1日

「こんなつまらない発明で申し訳ないのですが…」

 

発明相談のときにしばしば耳にするのですが多くの場合、決してそんなことはありません。

 

特許制度をよく知らない方のなかには専門知識を用いたものや複雑な構造の発明でないと特許にならないと勘違いされている方がいますが、そんなことはないのです。

 

確かにiPS細胞のように高度な専門的知識を有する人しか発明できない優れた発明もありますが、極端なことをいえばそういった大発明は取り敢えず多くの人にとってはどうでもよいのです(笑)。

 

それよりも一見つまらない(簡単)と思えるようなアイデアでも、それによって日常生活を便利にするものであれば立派な発明であり、それこそが大きなお金を生むのです。

 

例えば越後製菓とサトウ食品が裁判で争った切り餅事件のように餅の側面に切れ込みを入れた発明では裁判で8億円もの損害賠償支払い判決がでました。それから盲目の人でも触っただけで方向が分かるように磁気カードの一辺に切り欠きを形成した発明(考案)は大きな利益を生みました。刃の部分にカーブを入れたハサミは爆発的に売れています。

 

このように従来品に切り込みや切り欠きを入れただけ、穴を開けただけ、丸いものを角にしただけ、突起を付けただけ、凹ませただけ、といった一見簡単そうなアイデアであってもそれがその技術分野では新しい発想であり、それによって特有の効果が発揮できれば十分に特許になるのです。

 

事実、年間に数千件も特許出願している大企業の発明でもアイデア自体は実はそれほどたいしたものではありません。こういった大企業は潤沢な資金の基に質よりも量で勝負しているのです。20年以上も国内外の様々な大企業の特許明細書を書いてきた私がいうのですから間違いありません。

 

ちなみに進歩性については専門家でも迷う点ですのでこれについてはあまり深く考える必要はないと思います。取り敢えず主観的に新しいと思えば全て特許の対象となると考えて出願を検討されては如何でしょうか。あとは専門家に任せれば良いのです。

 

専門家でも白を黒にしたり黒を白に変えることはできませんが、有能な弁理士であればグレーを白にしたり黒に変えたりするのは難しくないのです。

 

他の事務所で断られた方は是非一度弊所にご相談ください。

 

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