すみれブログ
連帯保証人制度がなくなる?
2014年08月27日

明治29年に制定された民法が約120年ぶりに改正の見通しになったそうです(ココ)。

 

主な改正点は、

①アパートの賃貸契約が終了した際に借り主に戻ってくる「敷金」、
②中小企業が融資を受ける際に求められる「連帯保証制度」、
③未払い代金の「消滅時効」、
④法定利率が5%から3%へ引き下げ、の4点です。

 

どれも関係者にとっては重要な事項ですが、このうち特に悪評だった「連帯保証制度」が原則禁止されたことは評価できますね。

 

「連帯保証」とは要するに借金の保証人です。金融機関からお金を借りる場合にはそれ相応の担保が必要となるのですが、担保がない場合や足りない場合、金融機関は融資の条件としてこの「連帯保証人」を出すことを要求してきます。

 

特に中小企業の経営者や個人事業主の場合、資金ショートは事業の倒産を意味しますから土下座をしてでも友人、知人、家族などにこの「連帯保証人」を頼むことになります。

 

普通、借金の保証人になるのは誰でも嫌がるのですが、つきあいが長かったり取引関係があったりすると断り切れずに渋々承諾する例が多いようです。

 

しかし、この「連帯保証人」は単なる「保証人」とは違いとてもキツイ契約で、借りた本人と全く同じ責任を負うことになります。つまり自分が直接お金を借りたのと同じなのです。

 

通常、お金を借りた本人が借金を返済できなくなった場合、保証人としては先ずはお金を借りた本人自身から回収しろ、といいたいところですが、この「連帯」保証人になると一切そのような言い訳ができません。債権者のいうとおり全額を一括返済しなければならないのです。

 

お金を回収する方としては借りた本人が返済を滞納したり逃げてしまって連絡不能になったら、捜索や競売などといった面倒なことをせずにすぐにこの「連帯保証人」のもとにやってきて全額弁済を要求してきます。

 

これが原因で毎年数多くの連鎖倒産や自殺者が出ているのですが、民法は「連帯保証人」になった本人の自己責任として一切救済してくれなかったのですね。

 

人を護るための法律が人を自殺に追い込むような悪法です。お金を貸す方はその金利でお金儲けしているのにほとんどリスクを負わないという前時代的な不公平な法律です。

 

家によっては「連帯保証人」にだけはなるな、という家訓があるようですが、多くの例外はあるものの120年経ってようやく廃止されそうです。

 

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