すみれブログ
ウィキペディアン
2014年06月13日

みなさんは、ご自身のPCのインターネットのホームページはどこになっていますか?

 

殆どの人はヤフー(Yahoo!)やグーグル(Google)などの検索エンジンに設定されていると思いますが、これらの検索エンジンにはサイトの検索機能だけでなく、最新のニュースや天気予報、地図、電車案内など便利な機能や情報がたくさん載っていて、それを誰でもタダで利用することができます。

 

これらの情報や機能を作るためには膨大な費用がかかっているはずなのに、なぜYahooやGoogleはタダで提供できるのでしょうか?

 

そうですね。これらの検索エンジンサイトはそこに広告を出す企業からの広告収入で成り立っているのです。無料で利用できるFacebookやTwitter、YouTubeなんかも同じです。

 

マーケティングの基本ですが人が多く集まる場所に広告を出せばそれだけを高い宣伝効果が得られます。

 

つまり、インターネット上で人が多く集まる場所をつくる(ステップ1)。

人を多く集めるためには有用な情報や機能をつくり、それをタダで提供する(ステップ2)。

たくさんの人が集まってきたらそこに広告を出す(ステップ3)。

これによって多くの広告収入が得られる(ステップ4)。

以下、ステップ2~ステップ4を無限ループ。

 

というビジネスモデルによってYahooやGoogleなどは成り立っているのです。

 

しかし、このビジネスモデルは特に目新しいものではありません。

 

そう、民間のテレビ局がそうですね。面白いドラマやスポーツをタダで視ることができる代わりに視聴者はそのスポンサー企業の広告をいやというほど見せつけられることになります。

 

特に最近の番組作りは姑息で(うまくて)番組冒頭には一切CMを流さないで視聴者の関心をがっつり掴んでからラストの十数分間にガンガンCMを入れるという手法が普通になってきています。

 

テレビ局にしてみればなんだかんだいってもスポンサー様が第一だし、視てる方にしてみればタダで視てるので仕方がないのでしょうが、なんかまんまとテレビ局側の手法に嵌められたようでちょっと釈然としませんね。ですので私の場合は基本的に見たい番組はすべてHDDに録画して視るときにはCMをガンガン飛ばします。テレビ局にしてみればなんともありがた迷惑な視聴者です。

 

ところで、同じくインターネット上で有用な情報を無料で提供しているのに一切広告を載せていないサイトがあります。

 

おなじみの「ウィキペディア(Wikipedia)」です。

 

ご存じのとおりこれはインターネット上の無料の百科事典で、個人情報や国家機密以外の殆どの情報が載っているのではないかと思われるほどの膨大なデータベースです。私も公私ともにネットで調べ物をする際には必ず言っていいほど利用しています。

 

なぜWikipediaは広告を載せないのでしょう。

 

これは創設者であるジミー・ウェールズ氏の信念によるものです。彼らは広告を収入源にしてしまうとウィキペディアに書かれている内容に公平性が無くなることを懸念し、百科事典としての信頼性を損ねると考えているからです。

 

例えばある自動車メーカの広告を載せてしまうと、その自動車メーカにとってのスキャンダラスな内容は、(例えそれが事実であっても)スポンサーの圧力で削除されてしまい、結局、既存の雑誌や新聞と何ら変わらないものになってしまうと考えたからです。

 

ちなみに大企業が新聞や雑誌にコンスタントに広告を出すのは、自社に不利な記事が書かれないようにするためでもある、という人もいます。

 

それではWikipediaはどうしているかというと、それはそれを利用する人の善意、すなわちボランティアによって成り立っているのです。Wikipedia内の膨大な記事は誰でも自由に書き込み・編集・更新することが可能です。こういった人たちを「ウィキペディアン(Wikipedian)」と呼びます。

 

その分野に詳しいたくさんのWikipedianたちが一定のルールに基づいて記事をつくることで膨大な情報量を持つ無料の百科事典が出来上がったのです。

 

だれでも書き込むことができるため、ときにはでたらめだったり過激な内容になることもありますが、その記事の内容は後から誰でも書き換え可能(書き換え合戦)ですので、最終的には妥当な内容に落ち着くことになります。

 

このように記事そのものはWikipedianたちによるボランティアによって成り立っているので製作費用は殆どかからないのですが、サーバやその運営といったインフラ面ではどうしてもお金がかかります。

 

その費用はどうして工面しているかというと、それは一般利用者の寄付金で賄われています。ときどき創設者らが顔写真入りで寄付を呼びかけているのはそのためです。私もその趣旨に賛同し、僅かですが寄付をさせて頂いてます。ただし、本名でやると催促メールがうるさいとのことで匿名です。

 

このようにWikipediaはボランティアの善意によって成り立っているので記事の信頼性や責任の所在が曖昧であるため、情報源として軽んじる方もいます。もちろんここに書かれていることは全て真実だとは思いませんが、私は1つの情報源としては十分に信頼に値するものだと思います。

 

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