すみれブログ
資本主義と特許
2014年05月29日

日本やアメリカは資本主義国家です。資本主義は自由競争社会であり、人々は自由に好きな職業について自由な方法で商売をすることができます。しかし自由競争というのは、競争に勝つ者がいれば負ける者もいるということです。

 

要領のいい者は工場や機械を所有し、経営者(資本家)として金持ちになれるのですが、要領が悪い人や商売に失敗した人たちは金持ちになることができず、その多くが労働者として工場で雇われ、安い賃金でこき使われることになります。

 

このように資本主義経済では、大きな財産を持つ資本家と、有限な労働力しかない労働者とのあいだで貧富の差を拡大させてしまうという大きな欠点があります。

 

一方、この資本主義と対をなす考え方が社会主義です。ドイツのマルクスという偉い経済学者がこれ(貧富の差)ではイカンということで、資本論という本の中で資本主義を批判し社会主義を主張しました。社会主義国家として代表的なのはかつてのソ連や中国です。

 

社会主義というのは、国民みんなが平等な社会を創り上げていこうという考え方です。そのため国民の労働で得た利益を国が一括して管理し、国民に平等に配るということをします。これによって貧富の差を無くし、貧乏に苦しむかわいそうな人たちが出てこないようにしようというわけです。すばらしい考え方です。

 

ところが、この社会主義にも大きな欠点がありました。それは有能な者や努力した者が報われないということです。プロ野球選手に喩えれば、イチロー選手と、1軍と2軍を行ったりきたりの木船選手との給料が殆ど同じなのです。

 

本物のイチロー選手はそんなことはないと思いますが、どんなに活躍しても給料が上がらなければ誰も一生懸命プレーしたり、練習したりする気が失せてしまいます。ばかばかしくてやってられるか、ということになってしまいます。

 

これでは国際競争でアメリカや日本のような資本主義国家に負けてしまいます。

 

そこで、ソ連ではゴルバチョフという政治家がペレストロイカという改革を行い、資本主義への舵を切ったのです。中国では鄧小平という人が改革開放政策を取り入れ、経済面では資本主義を取り入れました。但し、政治面では依然共産党の一党独裁状態が続き、国民の不平や不満を紛らわすために周辺諸国に対して強気の外交(強い国家を演じてる)をしているという状態です。

 

この結果、両国は経済面では発展し、国や一部の国民は豊かになりました。

 

このように世界の国々は徐々に資本主義に収斂されるような流れになっているのですが、前述したように資本主義ではどうしても貧富の差が生じてしまいます。

 

また、勝者は膨大な資本を元にして益々大きくなり、やがてその市場は数人の者で独占されるという寡占状態を招いてしまいます。既に日本やアメリカなどの先進的な資本主義国では殆どの市場で寡占状態が生じてしまい、新規参入は殆ど無理です。自動車、運輸、電気製品、ビール、通信、マスメディア…など例を挙げればきりがありません。

 

そうゆう世の中では若者も新しく事業を起こそうというよりも、如何にいい会社に入るかということの方が最大の関心事です。いい会社に入るためにいい大学に入る努力をするわけです。

 

現在の日本経済は自由競争といいながらその実体は大企業とその系列企業に支配された膠着した状況なのです。

 

これは決して健全な経済状態とはいえないでしょうが、それが資本主義の行き着く先である以上、仕方がありません。あるいは一念発起して自ら政治家になって世の中を変えるという方法もありますが、その時点である意味目的を達成してしまっているのであまり意味が無いかもしれません。

 

しかし、前述したように資本主義は、自由競争が大原則ですので考え方によってはまだまだいくらでもチャンスがあると考えることができます。

 

自由競争では、年齢や性別、学歴などは一切関係ありません。努力の結果、運が良ければ労働者のが資本家の仲間入りできます。搾取されていた者が搾取する立場に変わることも可能なのです。下剋上です。

 

 

…と、ここまで書いたところで、タイトルの特許の話しはいったいいつでてくるんだ、という突っ込みが入りそうなので、続きは後日。

 

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