すみれブログ
三菱とミツビシとMITSUBISHI
2012年06月22日

突然ですが、みなさんこのロゴマークをご存じでしょうか?
mitsubishi(s).jpg

そう、あの有名な三菱グループの総合商社である三菱商事株式会社の登録商標(第1496080号など)ですね。

 

では、これはどうですか?

mitsubishi(p).jpg
これは、筆記具などの文房具製造メーカーである三菱鉛筆株式会社の登録商標(第467622号)です。

両社とも社名に「三菱」という名称がはいっており、しかも登録商標もそっくりですので同じ三菱グループの関連企業と思いがちが、両社は一切の資本的・人的関係はありません

 

さて、この三菱鉛筆といえば創業125年の老舗メーカー。同社で製造された鉛筆などは、日本人なら老若男女を問わず誰でも一度は使った経験があると思います。わたしも数十年前、教師をしていた叔母から小学校の入学祝いとして当時では珍しい名前入り(しかも金文字)の高級鉛筆「uni」を贈って貰って嬉しかった思い出があります。

 

この老舗メーカー、2011年12月期の連結経常利益は65億円で2期連続で最高益を更新中。この10年間、売上高は横ばいなもののジワジワと収益を伸ばし続けているそうです(コチラの記事)。

 

いまどきのペーパーレス時代になぜ三菱鉛筆は最高益を挙げることができたのでしょう。この記事によれば、三菱鉛筆は売上高の約6%を研究開発費にあてており、従業員約2800人のうち約200人は開発者で、売り上げが落ちたときでも「研究開発費だけは削らなかった」そうです。

 

この結果、次々とヒット商品が生まれ、海外メーカーからの箱入りで売られる廉価品などが出てきても売り上げが大きく落ちることはありませんでした。海外展開も好調で現在、海外売上比率は45%を維持しているそうです。

 

たしかに、市役所の記入台に置かれているようなボールペンであれば100円ショップで10本100円で買えるような廉価品で十分ですが、いざ自分専用の筆記具となると、ちょっといいモノを持ちたいという心理はありますよね。

 

文房具という製品として完成された飽和市場であっても、そういったちょっとした需要を満足する商品を次々と提供できれば、海外メーカーにコストでは到底太刀打ちできない国内メーカーでも十分生き残っていけるというよいお手本です。

 

ちなみに、以下のロゴマークも登録商標なのですが、どの会社のものかわかりますか?
mitsubishi(g).jpg登録商標(第1745034号)
TM_DISPLAY_B.jpg登録商標(第467623号)
TM_DISPLAY_B (1).jpg登録商標(第579190号)
mitsubishi(b).jpg登録商標(第1480537号)

上2つのロゴマークは、同じ三菱商事株式会社の登録商標(第1745034号、第467623号)、3つ目は三菱鉛筆株式会社の登録商標(第579190号)ですが、4つ目のロゴマークは、熊本県にある松田工業株式会社という、どちらの会社とも全く関係のない会社の登録商標(第1480537号)です。

 

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