すみれブログ
NHK大河ドラマ-八重の桜-
2013年01月12日

今年のNHK大河ドラマ-八重の桜-は幕末の会津藩が舞台です。幕末というとどうしても薩長が主役で会津藩の影は薄いのですが、会津には幕末を語る上で欠かせない重要な人物や物語が数多くあります。

 

幕末の会津藩主であった松平容保は京都守護職に任ぜられ、新撰組などの武装組織を隷下において京都の治安維持に活躍しました。このために倒幕派と敵対し、大政奉還が行われて幕府が倒壊した後、15代将軍徳川慶喜が新政府側に降伏すると、奥羽越列藩同盟の中心となって新政府軍と戦いました(戊辰戦争)。

 

また、この戦では16歳から17歳の武家の男子によって構成された白虎隊が負傷者を抱えながら郊外の飯盛山へと落ち延び、そのときにここから眺めた若松城周辺の火災を目にし落城したと誤認して悲観し、結果総勢20名が自刃を決行したという悲劇が有名です。

 

ドラマでは、女優さんや俳優さん達が会津の方言や訛りをかなり忠実に再現していますが、ネイティブの私からみるとアクセントがかなり違います。尤もアクセントまで忠実に再現すると他の地方の視聴者は何を言っているのかさっぱり分からないでしょうからそれはそれでいいのかもしれません。

 

幕末を舞台にした大河ドラマでは、ここのところ篤姫や龍馬伝と面白いものが続いていますので今回も楽しみですね。

 

ところで、260年もの長期政権を握っていた徳川幕府が倒幕するきっかけとなったのは、ご存じの通り1853年の黒船の来航です。アメリカ合衆国海軍東インド艦隊のマシュー・ペリー代将がたった数隻の船艦で東京湾にやってきて、開国しないと江戸の町に大砲を打ち込むぞと幕府を脅したわけですが、それまで200年以上も戦争をしていなかった幕府にとってはそれだけで十分な威嚇があったのでしょう。

 

老中の阿部は米国の開国要求に頭を悩ませ、広く大名から旗本さらには庶民に至るまで幕政に加わらない人々にも外交についての意見を聞くという前代未聞の狼狽ぶりをみせたのです。

 

そういった幕府の弱腰に業を煮やした国内の尊王攘夷派が中心となって内戦が勃発し、とうとう徳川幕府が倒れて新しい明治政府が誕生するわけですが、考えてみると、このときから現在に至るまで日本が変わるのはすべて外圧、すなわち米国の圧力によるものであることが分かります。

 

明治政府以降我が国はこれを教訓として国を豊かにし、軍備を増強して欧米列強の脅威から国を守るという富国強兵を国是とし、その結果日清戦争や日露戦争などに連戦連勝して先進国の仲間入りを果たしていくことになるのですが、これがやがて過信を生み、またまた米国の圧力(経済制裁)で始まった太平洋戦争の開戦、敗戦という悲劇を生む結果になってしまいました。

 

現在では安保条約のため米国との武力による戦争という事態は考えられないのですが、その代わり世界市場を巡って熾烈な経済戦争や技術開発戦争が行われています。そして、今や日本は米国だけでなく、韓国や中国などの強力なライバルとも戦っていかなければなりません。

 

スマートフォンを巡る市場や技術開発では完全に米国と韓国に後塵を拝する結果となっています。今後最も熱い市場と云われるASEAN諸国での陣取り合戦では何としても日本企業に頑張ってもらわないと日本に明るい未来はないでしょう。

 

今から約150年前に日本を変える戦いから始まった武力による戦争は、いまや世界を相手にした経済戦争、技術開発戦争に完全に取って代わってしまいました。

 

 

 

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