すみれブログ
Amazonから出品停止の警告が届いたら
2019年10月15日

Amazonの出品者がその規約に違反すると、アカウントが一時停止になったり、解除されて二度とAmazonで商売ができなくなることがあります。

 

Amazonの出品者に関する規約違反は、「偽物の販売」、「レビューの操作」、「複数アカウントの運営」、「知的財産権の侵害」等がありますが、この中で特に多いのが「知的財産権の侵害」です。「知的財産権」とは、Amazon規約には定義はありませんが、申告フォーム等をみると、著作権、商標権、特許権、意匠権の4つがメインのようです。

 

自分の知的財産権を侵害された商品が出品されているのを発見した権利者は、Amazonに用意されている申告フォームや書面でAmazonに対して比較的簡単にその商品の出品停止を申し立てることができます。

 

この申し立てがあるとAmazonは原則としてその申し立てを認めてその商品の出品を一時停止すると共にその出品者に対して知的財産権侵害についての申し立てがあった旨を通知(警告)します。

 

この警告を受けた出品者はその申し立てが正しいと思うのであれば、申立人(権利者)に謝罪して申し立てを取り下げてもらうか、その出品を取り止めると共に二度としないとの改善策等を記載した文書をAmazonに送って許してもらう必要があります。この申し立てに対して何もせずに無視しているとAmazonから催促が入り、さらにそれを無視しているとアカウント停止となって二度とAmazonで商売ができなくなります。

 

しかし、その申し立てに納得がいかなかったり間違っていると思う場合はどうすればよいのでしょうか。この場合も先ずはその旨を申立人に通知して速やかに申し立てを取り下げてもらう必要がありますが、申立人としては一端拳を振り上げた以上はよほどの理由がない限りすんなりと降ろしてくれる可能性は低いでしょう。

 

ですので同時にAmazonに対してその申し立て自体が不当である旨を連絡する必要があります。申し立てが不当な理由を根拠と共に提出し、それがAmazon(の担当者)に認められれば一時停止が解除されて再出品が可能となります。

 

では、具体的にはどうしたらよいでしょうか。

 

まずは、侵害を申し立てている知的財産権の存在を確認します。Amazonからの通知には、申し立てられている商品、申立人、知的財産の種類、登録番号もしくは特許番号などが記載されていますので、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)にアクセスして、その権利が実際に存在しているか、申立人と権利者が一致しているか、現在もその権利が有効に存続しているか等を確認します。

 

特許権は出願日から最大で20年間、意匠権は登録日から最大で20年間存続しますが、年金未納付の場合はその途中で消滅しますからそれを確認する必要があります。また、商標権は10年毎に更新申請が必要ですのでその手続が為されているかどうかを確認します。

 

この結果、権利が消滅していたり、申立人と権利者が一致していない場合には、証拠と共にその旨を申し立てれば再出品が認められる可能性が高くなります。

 

一方、権利が現在も有効でかつ申立人と権利者が一致している場合には、次にその権利の内容を特許公報や意匠公報、商標公報の記載から確認して申し立てられている商品がその権利を侵害しているかどうかを判断します。

 

特許権の場合は特許公報の特許請求の範囲(請求項)に記載された特許発明の構成と申し立てられている商品の構成を比較し、特許発明の構成をすべて備えていれば原則として侵害となり、一部でも違っていれば非侵害となります。

 

商標権の場合は、商標が同一又は類似でかつ指定商品・役務が同一又は類似であれば侵害、商標か指定商品・役務のいずれか一方が非類似であれば非侵害となります。

 

意匠権の場合も外観とその物品に分けて外観(見た目)が同一又は類似でかつ物品が同一又は類似であれば侵害、外観(見た目)か物品のいずれか一方が非類似であれば非侵害となります。

 

ちなみに著作権の場合は作品の完成と同時に発生し、商標等のように審査や国への登録は必要となりませんので、既存の著作物に依拠して再製されたものでなくオリジナルのものであることを説得力をもって説明する必要があります。

 

これらの主張は裁判所や公的機関ではなくあくまでAmazon(の担当者)にするので説得力のある文章が書けるのであれば正確な法知識や判断は必要はないと思いますが、弁理士や弁護士などの専門家の鑑定書をつけたり代理で提出してもらえばより説得力があると思います(別途費用がかかりますが…)。

 

とまぁ、いちおうここまではAmazonから出品停止の警告が届いたときの一般的な対応を説明したつもりですが、その結果はどうなるかわかりません。Amazon(の担当者)がどのような基準で判断しているのか正直全くわからないのです。

 

これについては知的所有権に関してまったくのど素人が対応しているとか、あるいはAIを使って高精度で判断しているということは耳にしたことがあるのですがあくまでも噂です。民間企業のAmazonにとってはこのような知的財産権侵害の申し立て処理はまったく利益にならず単なるコストでしかないのでどこまで費用を掛けているのかはわかりません。

 

ですのでその判断が間違っている可能性はあるのですが、Amazonを敵に回しても何の利益もありません。仮にその申し立てがNGとなった場合には潔くその商品の出品を諦めることが得策であり、なによりもAmazon(の担当者)の機嫌を損ねてアカウント停止といった最悪のケースだけは回避するのが重要です。

 

でも、どうしても出品を継続したいのであれば他にいくつかの方法がありますので別途当職までご相談ください。

 

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