すみれブログ
差別化が難しい業界
2017年03月29日

「てるみくらぶ」という中小の旅行会社が破綻し、大きな被害が出ているようです。

 

その要因は旅行業界を取り巻く競争環境の激化による価格競争によって資金繰りが悪化したとのこと。最後は入金されたばかりの費用をそのまま支払いに充てなければならないという自転車操業だったようです。

 

この業界についてはあまり詳しくないのですが一般的な格安ツアーというのは航空会社の余った座席のチケットを旅行業者が安く仕入れることで成り立っています。しかし、最近は航空各社とも航空機の小型化が進んで余剰チケット自体の流通量が減ってしまい、その結果大手との価格競争力が無くなってしまったのが原因の1つのようです。

 

消費者は常に安いものを求めますので価格が安いというのは極めて有利ですが、儲けるためには個別の利益が減ったぶんだけ大量に処理する必要があります。薄利多売による価格競争です。でも、価格競争というのは体力のある大手業者のビジネスモデルであり、中小の業者がこれをやってはいけません。

 

当初はインターネット販売という新しいビジネスモデルが成功したようですが、同業者が同じ手法でどんどん参入して優位性がなくなってしまったようです。

 

考えてみれば旅行業界というのは他社との差別化が難しい業界の1つですね。我々消費者からしてみれば、どんな交通手段を使ってどんな宿泊施設を利用するかが大事であってその手配自体はある意味どうでも良い。目的の交通手段や宿泊施設がちゃんと利用できれば、それを手配してくれる業者は大手も中小もA社もB社も関係ないのです。あとは価格です。

 

そう考えるとやはり差別化を図るためには独自の技術やノウハウを生かしてモノを作る業種が一番だと思うのです。

 

モノの場合それがオリジナルであれば特許や商標という知的財産権で保護できますので他人の模倣や他社の参入を阻止できます。またノウハウの場合はそれを秘密管理したり、不正競争防止法で保護できます。他人が参入できなければ商品の値段も納期も性能も自由に決められます。まさにブルーオーシャンです。

 

これから起業しようとする人、あるいは既に事業を興しているものの新しい事業への方向転換を考えている中小企業の経営者にとっては、旅行業や小売業のような差別化が難しいサービス業よりも差別化が容易な製造業への参入を検討してみては如何でしょうか。

 

もちろんそのためには高度な専門知識や経験、努力、運が必要となり決して容易ではないのですが目指すべき方向としては間違っていないと思います。

 

ちなみに製造業というと大きな工場や機械設備が必要となると考えがちですがそうではありません。そもそもこれから起業しようとする人や他業種の経営者がこれらの資金を用意すること自体は不可能ですから。

 

それじゃ、どうするの?

 

その具体的な方法は個別に。

 

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