すみれブログ
東京五輪公式エンブレム問題
2015年08月5日

国立競技場の騒動につづき、今度は東京五輪公式エンブレムの盗作疑惑問題で揉めているようですね。

 

盗用されたとするベルギーのデザイナーから国際オリンピック委員会(IOC)と日本オリンピック委員会(JOC)に対し「著作権侵害だ」としてエンブレムの使用停止を求めた書簡が届いているとのこと。

 

もし、ベルギーのデザイナーのいうとおりのパクリであれば、立派な著作権侵害ですのでこのデザイナーから許可を得ない限り、JOCはこれを東京五輪公式エンブレムとして使うことはできません。

 

一方、このエンブレムをデザインした佐野氏は、わざわざ記者会見を開いて「大変驚いておりますが、全くの事実無根です」と疑惑を完全否定しているようで、その主張は真っ向から対立しています。

 

本当のところはどうなのか分かりませんが、実際に問題となっているエンブレムと、ベルギーのリエージュ劇場のロゴ・フォントを見比べてみると、素人目から見る限りでは確かに似ているなぁと思います。

 

もちろん細かい違いはあるのですが、最も目を引く部分、つまりアルファベットの「T」をモチーフにした部分の構成はほぼ同じに見えますよね。

 

でも、著作物の場合は仮に出来上がった作品が他人の作品と似ていてもそれが他方の作品のモノマネ(依拠したもの)でなく、その人が独自に考え出したものであれば、その他人から著作権侵害で攻撃されることはありません。

 

ですので、佐野氏のいうとおり、佐野氏が独自に考え出したものであれば、この問題は単なるデザイナー側の言いがかりで終わります。

 

ちなみに一部記事やニュースでは商標権侵害云々といっているようですが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴ・フォントは登録商標ではありませんのでこれは的外れです。

 

じゃ、なにか問題かというと、やはりこれはオリンピック組織委員会(JOC)の対応がまずかったんだろうなと思います。

 

現時点では公開になってないようですが、おそらくこのエンブレムも過去の例↓と同じように、「公益財団法人日本オリンピック委員会」等の名義で特許庁に商標登録出願しているはずです。但し、商標の場合は実際に登録になるまでには通常出願日から6ヶ月程度要しますから、現時点ではまだのようです。

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商標登録第5509561号

 

ですので、いろんな事情はあると思いますが、少なくともこのエンブレムが正式に商標登録されてから発表すべきであって、まだ登録になっていない段階でJOCが東京五輪公式エンブレムとして発表してしまったのはまずかったと思うのです。

 

つまり、もしこのエンブレムが正式に商標登録されてから発表していれば仮に今回のようにケチが付いたとしても、佐野氏やJOC側としては、このエンブレムの使用は専門官庁である特許庁(お役所)のお墨付きである、として批判の矛先をかわすことができたのではないかと思います。

 

文句があるんだったら特許庁(お役所)にいってくれ!と。

 

ですので、もし佐野氏の主張が本当であれば、今回の騒動は勇み足をしたJOCが責められるべきであって、クリエータにとって最も不名誉な言いがかりを付けられた佐野氏にとっては、まことにお気の毒としかいいようがありません。

 

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